「録音(DAISY)資料製作に関する全国基準」


 私たち「録音(DAISY)資料製作全国基準検討委員会」は3年に渡り、録音図書の製作に関する全国基準の検討を続けてまいりました。このたびようやく完成に至りましたので、ここに公開いたします。
 障害者の読書にとって欠かすことのできない録音資料ですが、DAISYフォーマットの採用や著作権法の改正による利用者の拡大等により、ここ数年製作に関する課題も明らかになってきました。これまで公共図書館やボランティアグループ等(製作者)は、それぞれ製作基準を作り、録音資料の製作を行ってきました。こうした基準には共通点は多いものの、細部には微妙な違いも見られます。そして、残念ながら、中には適切とはいい難い基準や編集方法も見受けられるのが現状です。
 またご存知のように、録音資料は自館利用者だけではなく、全国的な無料の相互貸借により全国の障害者に提供されています。つまり日本の財産ともいえる貴重な資料です。
 これらの現状を考えると、製作者ごとに録音図書の製作方法が異なると、利用者に混乱を与える原因となります。また、それによりDAISYフォーマットの優れた機能が十分に生かされず、原本の構成や内容がうまく伝わらずに、結果として著者の意図するところが利用者に正しく理解されないという問題も生じかねません。
 そこで、録音図書の形式を整え、DAISY編集の方法を共通化することにより、高品質でより使いやすい録音資料製作をめざして、まとめたのがこの『録音(DAISY)資料製作に関する全国基準』です。
 録音図書の製作に試行錯誤を重ね、疑問や悩みを持ってこられた図書館職員・図書館協力者・ボランティア等には、ぜひこの基準の採用をご検討いただければと思います。
 また、すでに独自の製作基準などによる製作を行ってきている図書館・グループのみなさんには、製作基準・マニュアルの変更が必要となるかと思います。基準の趣旨をご理解いただき、ぜひ前向きにご検討いただければと思います。


「録音(DAISY)資料製作に関する全国基準」はここからご覧いただけます。
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nagoyakai@mbn.nifty.com

●「録音(DAISY)資料製作全国基準検討委員会」参加団体(50音順)

  公共図書館で働く視覚障害職員の会(なごや会)
  全国音訳ボランティアネットワーク
  DAISY編集者連絡会(DAISY TOKYO)
  日本図書館協会

●協力団体

全国視覚障害者情報提供施設協会