主な活動

 本会には、「図書館職員の専門家集団」と視覚障害当事者の声を代弁できるという二つの立場があります。この特徴をいかして、次のような活動を行っています。

1.交流と情報交換

(1)例会の開催
 年1回総会を兼ねた例会を開催。期間中、ホットな課題をテーマにした研修会や公開討論会を行ったり、地元ご自慢の観光スポットを訪ねたりと、有意義な内容で2泊3日を過ごし、図書館員としての資質の向上を図るとともに、会員相互の交流も深めます。

(2)支部会の開催
 東西各支部で独自に研修会や施設見学会などを企画・開催し、それぞれの地域の会員が研修や交流ができる機会を設けています。

(3)会報の発行
 例会や支部会と並んで情報交換の場として、年2回会員向けに会報を発行しています。図書館サービスや業務上の課題を特集記事として取り上げたり、最新の図書館を取り巻く情報提供を行ったり、会員からの「ミニニュース」、会員のプライベート・タイムを披露するコーナーなど毎回、多彩な内容で好評を得ています。

(4)メーリングリストの運営
 会員をメンバーとする「なごや会メーリングリスト」を運営し、事務連絡のほか、業務上抱える問題についての意見交換など、MLの特徴をいかした即時性の高い情報交換の場として活用しています。

2.研修会の開催と資料の発行

(1)研修会
 これまで以下のような研修会を開催しました。
@「パネルディスカッション 今後の公共図書館に望むこと − 視覚障害者サービスを中心に」(1999.11 名古屋市)
A「出版物のアクセシビリティを考えるセミナー 2004 − 著作権・出版権・読書権(アクセス権)の調和をもとめて」(2004.2) 東京
B「公開シンポジウム 公共図書館の障害者サービスと図書館協力者やボランティアとの関係を考える」(2005.11 浜松市)
C視覚障害者等のための録音雑誌を考える集い(2006.9 川口市)
D田中章治氏の退職を祝う会 記念講演会とイベント(2006.11 大阪市)

(2)資料の編集・発行
 これまで以下のような資料を発行しました。
@『今後の公共図書館に望むこと − 視覚障害者サービスを中心に(なごや会結成10周年記念パネルディスカッション記録集)』)2001.3)
A『視覚障害者とともに働くQ&A集』、(2003.11)
B『本のアクセシビリティを考える 〜著作権・出版権・読書権の調和をめざして〜」(2004.4)
C『録音雑誌全国調査報告書』(2006.7)
D『田中章治氏の退職を祝う会 記念講演会記録集 DAISY版』(2006.12)
 ※ 上記の資料の価格や入手方法については 「資料紹介」 をご参照ください。

3.調査

 図書館の障害者サービスに関わる各種調査を実施。これまで録音雑誌の製作状況に関する施設・ボランティアグループなどへの調査を行い、『録音雑誌全国調査報告書』にまとめるとともに、「録音雑誌製作貸出提言」を公表しました。

4.諸課題への取り組みと他団体との連携

(1)視覚障害者の雇用問題への取り組み
 視覚障害者の雇用を、一歩でも進める諸活動に力を入れています。
 「なぜ、図書館に視覚障害職員が必要なのか」を、会員の行っている業務内容を具体的に上げて、視覚障害者の採用によってこれまでには想像もできなかった新たなサービスが展開されている事例を示しながら要望を続けてきています。その結果、2001年には大阪府で、2002年には京都府で公共図書館に、全盲の視覚障害者が新たに働く場を得ました。

(2)著作権問題への取り組み
 視覚障害者など、通常の活字のままでは読書や学習が困難な人は、情報入手に際して点訳・録音・文字の拡大などの作業を要します。ところが、活字からこれらの媒体への変換に際して、現行の「著作権法」では公共図書館やボランティアの判断によりこの作業を 行うことができません。
 そこで、本会は毎年文化庁に著作権法の改正を求めたり、国際会議の場で私たちの主張を表明するなど、“人権”としての情報アクセス権の確立と保障のための活動を行っています。

(3)声明・アピール

@「障害者の情報アクセス権と著作権問題の解決を求める声明」(2002.10)
 「アジア太平洋障害者の10年」最終年記念フォーラム」の一連の行事で発表
A「録音雑誌製作貸出提言」(2006.10
 全国視覚障害者情報提供施設協会 名古屋大会などで発表

(4)他団体との連携

@「手を繋ごうすべての視覚障害者全国集会」への参加
A「EYEマーク・音声訳推進協議会」賛助会員

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